芋一本持ってきて!

mantaWritten by

20141112kanban

嘘か真かネタか仕込みなのか怪しんだが、あまりの熱弁に一つの信用できる伝説が生まれた話。
お客様の話で、まだ東京で焼酎ブームが少しずつ流行り始めたころ、九州から団体で用事で出かけた夜の食事でそれは起こった。乾杯ビールも終わり、じゃ変えて焼酎でも飲むかとホールの若いお兄ちゃんを呼んで、「お兄ちゃん、芋一本持ってきて」と、オーダーを入れた。当然お兄ちゃんは、素早く対応してくれると思ったが何故か「芋ですか」と、念を押す確認でなんか腑に落ちないような顔をしていたらしい。当時、本格焼酎など関東ではほとんど浸透してなく、注文して本人も焼酎自体が認識していないから仕方ないと理解したらしい。宴も盛り上がる中で、焼酎が遅いので催促したらやや遅れてお兄ちゃんが、ソレを持って現れた。「お待たせしました。芋をお持ちしました」。やっと来た来たと兄ちゃんの手元を見ると、ざるからややはみ出るくらいの大ぶりな薩摩芋がゴロン。
 出てきたモノは、蒸かした薩摩芋。全員あっけにとられ、それ誰が注文したんと聞くが誰もいない。お兄ちゃんにそんなん注文していないと問いかけると、「いえ、お客様が芋を一本と言われましたのでお持ちしました」。「は?・・・」。時すでに遅し、芋は一本でもボトルではなく、本物の蒸かしたのが一本出てきたのだった。
 認識の違いというか、まだそこまで酒の文化が浸透していなかったせいか、若いお兄ちゃんは、焼酎の原料の状態を提供しに来た。九州では、芋一本といえば、ほぼ100パーセントでボトルが出るはず。それを期待にまた地元のノリで注文したのが間違いの元であったようだ。今思えば、ほのぼのとした光景ではあるが、次の酒がないと分かった時の宴の皆の落胆は大きかったに違いない。
 かごしま黒豚 萬大manta