七夕のお湯割り

mantaWritten by

20141112kanban

 先日、取材を頂いた方との会話の中で、関東のほうではお湯割りの温度に凄くこだわって提供している店が多いと聞きビックリした。

お湯割りは、私自身も大好きな飲み方である。まず、身体に優しい、芋の香りが楽しめる、酔い覚めが爽やか等が主な理由だが、私自身が湯割りの温度までこだわって考え飲んだ事はない。日本酒の燗付けには、熱燗・ぬる燗・ひなた燗などの燗の付け方があるのは知ってはいるが、「何度」でというのは、私としては理解に苦しむ。お酒は、化学実験ではなく、ひと時を楽しむ嗜好品の一つ。日本酒の燗付けのように、「人肌」とか「ひなた燗」とか言えば、誠に風情のある更に美味しい酒になる一つのエッセンス的な「季語」のような呼称である。

 まず、お湯割りは、沸騰したお湯は厳禁である事は言うまでもないが、前割をした焼酎をゆっくりと燗付けして頂くのも良い方法だろう。時間がなければ、沸かした湯を冷まし、頃合いをみて焼酎を割る方法などもそれはそれで美味しい。酒の味は、場の雰囲気に大きく左右されるし、飲み手の状態いわゆる体調・気分などでも普通の酒がメチャ美味しくも感じるし、良い酒であっても、口の中が苦々しく感じる時はある。

 酒は、飲み手の状態を超えては、その良さを絶対発揮できないし、もったいない。酒には、風情が必要であるわけだし、絶対的な何かというのは、杜氏やブレンダーの方々の技術に委ねればいいのであり、後は時の流れなのだと思う。確かに、温度云々というくだりは、焼酎に付加価値を与えて再発見する考えとは思うが、やはりどうしても肩が凝る飲み方はシンドイ。温泉や自宅の風呂は、42度が良いとか、45度以上は半身浴にしないと身体に悪いとは知っている。浴槽ではなく、お湯割りのグラスに温度計を差し込む考えより、例えば、酒をお客様に人肌でという技量で提供するのが、酒場としての酒場らしい風景と思うのだが。
鹿児島黒豚 万太